なぜ紙施策は「やりっぱなし」になりやすいのか

紙の施策は、真面目に取り組まれていることが多い。
企画を考え、制作し、配布まできちんと実行される。
それにもかかわらず、振り返りや改善の話になると、急に言葉が詰まる。
「反応は悪くなかった気がする」
「前回と同じくらいだったと思う」
こうした曖昧な表現で終わってしまい、次に何を変えるべきかが決まらない。
結果として、翌回も似たような内容・似たような配布方法が繰り返される。
これは担当者の能力や姿勢の問題ではない。
最初から“改善できない構造”の中で施策が回っていることが原因だ。
問題は「結果が見えない」ことではない
紙施策が改善されにくい理由として、よく挙げられるのが「効果測定ができないから」という説明だ。
確かに、紙はデジタルほど分かりやすい数値が出ない。クリック数やCV数のような即時データも存在しない。しかし、それだけが原因ではない。
本質的な問題は、
何をもって成功・失敗とするのかが、最初から定義されていないことにある。
●何が起きたら成功なのか
●どこを見て判断するのか
●次にどう活かすつもりなのか
これらが曖昧なまま実行されているため、結果を「評価」ではなく「感想」で語るしかなくなる。
改善が起きない施策の共通構造

紙施策がやりっぱなしになる現場には、共通した構造がある。
●目的が「配ること」になっている
●成果の判断基準が存在しない
●振り返りの場が設計されていない
この状態では、たとえ反応が良くても悪くても、次に何を変えるべきかを言語化できない。
つまり、
改善が起きないのではなく、改善が“起きようがない”設計になっている。
この構造を理解しないまま、
「もっとデザインを良くしよう」
「配布枚数を増やそう」
といった対処をしても、根本は変わらない。
個人の努力ではなく、仕組みの問題として捉える

ここで重要なのは、この問題を個人の責任にしないことだ。
担当者が怠けているわけでも、考えていないわけでもない。
考えても答えが出ない構造の中で、真面目に回しているだけというケースがほとんどだ。
だからこそ必要なのは、「頑張り方」を変えることではなく、考え方と仕組みを先に整えることになる。
次章では、そもそもマーケティングとは何か、そして紙施策をその思考の中にどう位置づけるべきかを整理していく。
