インターネットの普及により、広告業界でも広告の主流はデジタル広告だと思われがちです。実際、近年では不動産業界でもインターネットを活用した販促活動が広く行われるようになっています。
しかし、不動産業界において「チラシ広告」は、今でも王道の販促活動です。
充分に集客効果を期待することができるのです。
今回は、そんな不動産業界においてチラシ広告がもたらす効果と、その効果をあげる方法について、詳しくご紹介します。
不動産を売るための宣伝方法
不動産の販売と売却物件募集のためにできるマーケティング方法はひとつではありません。
不動産を売るための方法は主に3つに分類されます。
1:インターネット広告
2:人が営業に行く
3:広告チラシを配る
です。
まずは、それぞれの特徴について解説していきます。
1.インターネット広告
インターネット業界で宣伝するためには、まずウェブ上にその不動産の広告宣伝ページを作る必要があります。1度ページを作ってしまえれば、この先ずっと宣伝することができますが、閲覧者が少なければその効果は低くなります。そのため、多くの閲覧者を獲得できるWebページを作るには、プロの手が必要になる可能性も高く、必然的に費用が高くなるというデメリットが出てきます。
2.人が営業に行く
この営業方法は、保険業界でもよく用いられる「飛び込み営業」といわれる営業方法です。
この宣伝を行うには、見込み客を把握しておく必要があります。興味を持っている人を見つけられていれば、その場の説明やアピールで売上に繋げることができますが、その対象者を見つけることは簡単ではありません。不動産の販売においては、最終的に営業マンの販売・商談が必要ですが、人が一軒一軒回るのは効率があがりにくく、費用対効果を見込むのが難しいと考えられます。
3.広告チラシを配る
今回私たちがご紹介する「ポスティング」は、この広告チラシに分類されます。
広告チラシの中には、主に「新聞折込」「駅前で配布する」「ポスティング」の3つの配布方法があります。
チラシ配布は、デジタル広告が普及する前から利用されるアナログな宣伝方法のため難易度が低く思われがちですが、新聞折込は配布対象が新聞購読者に限られ、駅前などで人がチラシを配布するには人件費がかかることを考えると…必ずしも効率がいい方法とは言い難いです。
また、不動産の勧誘においてチラシ配布は、他の業界にはない「注意点」を考慮する必要があります。
それは、「宅地建物取引業法」に含まれる「不動産屋は土地や住宅に関して相手が勧誘を断った場合、再び勧誘することを禁止する」という条項です。
不動産業界は、勧誘行為を繰り返し行うことで販売免許が取り消されてしまう危険性があるのです。
そこで、紙媒体のチラシを配布する場合には、人件費を抑えることができ、安全性が高いポスティングをおすすめします。ポスティングは、住宅に規則的に配布するため、外部に委託するハードルが低めの宣伝方法といえます。購入でも売却でも検討時間の長い傾向にある不動産にとって、現物を手元に残すことが出来るチラシは効果性が高いといえるでしょう。
不動産集客においてのチラシ効果
次に、不動産業界がチラシを配布することで得られる効果について解説していきます。
1.近所の買主を獲得できる
まず1つ目の効果として、
「近所の買い手に直接アプローチすることができる」
ことがあげられます。チラシはターゲットだけにダイレクトに情報を届けられます。
住宅の購入者は、”地方から新しくその土地に来る人”というイメージもありますが、実は、中古住宅の取引においては郊外に行けば行くほど、近所の人が近所の物件を購入するケースが増えるんです。
そのような方には、
- 「住環境を変えずに今の家を買い換えたい」
- 「今の職場からあまり遠くならない場所に住みたい」
- 「親の介護のために近所に家が欲しい」
といったような限定的なニーズが存在します。
不動産会社にとって、このような近隣の住民はアプローチすべき存在なんです。
加えて、このようなターゲットは既にその地域で暮らしているため、地域の特徴を気に入った上で物件を検討しているので、商談が成約しやすい傾向にあります。
さらに、地域の相場を知ってくれている人も多いため、相場で売り出している物件であれば値引きを要求されることなくすんなりと購入してくれます。
このように考えると、不動産会社において近隣住民の買主は良客ともいえるでしょう。
チラシは、このようにお客様を発掘するためにも効果の高い宣伝方法です。
近所の物件を希望している買主は、デジタル広告よりも実際にポストに入っているチラシを見て初めて物件が売り出されていることに気が付くことが多い傾向にあります。
売り物件の存在に気が付いてもらうには、検索されなくても一方的に情報を伝えることができるチラシのほうが、インターネット広告よりも高い効果が得られるのです。
近隣住民に向けたチラシを制作する際は、周辺エリアの物件の価格に合わせてターゲットを選ぶことがおすすめです。高級物件のチラシを一般マンションにポスティングしても、問い合わせを期待するのが難しいです。そのため、「家賃が○○円以上のマンションのみ」などと限定してポスティングチラシを打つことで効率をあげることができるのです。
2.数年後に購入予定の人にもアピール可能
チラシのポスティングは、数年後に購入予定の人にも物件や自社をアピールすることができる宣伝方法です。
直近で購入予定のない人は、わざわざ積極的に情報を集めることは少ないですが、いつか買いたいと思っている潜在層にポスティングを用いてタイミングよく物件情報を提供することで、「いつか買う」から「今買いたい」と意識変換を起こさせ、購入意欲を高めることができるのです。売却物件の条件に納得してもらえれば、予定を前倒しして即決購入してくれるケースさえ存在します。
ポスティングを用いることで、”見込み客”つまり「顧客になる可能性のある層」にも積極的に物件をアピールすることができるのです。
3.売り物件の相談もできる
チラシには、売り物件を掘り起こせるという効果もあります。
裏面に「売り物件求む」と記載されているチラシを目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。売り物件の効果には即効性こそないものの、毎回目に留まることで自然と近隣の住民の意識の中で刷り込まれていきます。潜在的に企業情報を入れておくことで、すぐに売るつもりがなくても、いつか顧客が不動産を売りたいと思った時、真っ先に記憶が思い起こされ、売り出し先の候補として浮かべてもらうことができます。
チラシが何度も届くことで、不思議とその会社が「良く知っている会社」になり、親近感や信頼度も高くなっていくのです。
一般的に、消費者は「条件」等よりも「よく知っている会社」に売却したいという心理が働く傾向にあります。特に中小企業は大手のような知名度を持っていないため、常に名前を売っておくことが重要です。
また、チラシでは売り物件の募集を、売り物件を持っていない方にも撒くことができます。インターネットのポータルサイトには、売り物件を持っている人に限定して広告を出す機会が圧倒的に多いため、売り物件がなくても自社の存在をアピールできるという点は、チラシ配布の大きなメリットの1つといえるでしょう。
4.費用対効果が高い
チラシを配布しようと考えた時、その費用対効果が高いのかどうか気になる方は多いと思います。結論からいうと、高いといえるでしょう。
実際のチラシ1枚当たりの単価は数円程度です。対して不動産の契約は1件あたりの単価がかなり高いです。契約が1件でも決まれば、チラシを数百/数千枚刷ったとしても充分投資する費用を賄うことができます。数千部のチラシを撒いても、1枚のチラシが契約に結びつけば、それだけで黒字になり得る可能性もあるということです。
ただ、チラシを配布する際は、数千・数万という単位で撒くことになります。1枚当たりの単価が低いからと安易に進めず、反響の出やすいターゲットとそのエリアをしっかりと見極めておきましょう。
5.営業資料としても使用できる
不動産業界において、チラシの大きなメリットの1つとして
「チラシ以外の用途でも利用できる」
という点があげられます。
不動産のチラシには、最寄り駅や間取り、外観まで物件の詳細が詳しく記載されています。この1枚を見れば、物件の概略をほとんど把握することができるのです。
また、上述したように不動産のチラシは「不動産の表示に関する公正競争規約」によって自主規制されているため、どの不動産会社を見ても記載内容はほとんど共通になっています。
そのため、不動産売却の依頼を受けた不動産会社は、購入希望者に物件の資料としてこの広告チラシを物件情報として渡すことが多いです。つまり、購入希望者はこの広告チラシを見て購入するのかを判断するのです。
さらに、不動産売却の依頼を受けた不動産会社は、自社だけで購入希望者を探すわけではなく、他の不動産会社にもこのチラシを共有し、購入希望者を探してもらうことがあります。
不動産業界においてチラシは、単なる配布用の広告としてだけでなく、営業資料としてその物件が売れるかどうかに大きな影響力をもつのです。
6.タイミングを逃さない集客が出来る
ポスティングが他の販売促進手段よりも優れているポイントは、思いついたらすぐに実施できるところです。
チラシが前もって用意できていて、配布エリアも決まっていれば、配布までに対して時間は要しません。ポスティング会社に依頼した場合は、依頼2.3日後に配布を開始することも可能です。
不動産の中でも中古物件は即時性が優先される商品ですので、売り出し直後に周辺に認知してもらうことが重要視されます。
ポスティングを利用することで、マーケティングのポイントである「限定性」と「希少性」を前面に打ち出すことができるので、物件をより売れやすくなります。
チラシの費用対効果を上げる方法
冒頭に解説したように、ポスティングはネット社会の現代でも効果的な宣伝方法です。
ポスティングの特徴やメリット・効果を上げるための方法については、コチラの記事でより詳しく解説しています。興味がある方は是非こちらの参考にしてみてください…!
参考記事: 【ポイント7選】ポスティング・チラシの効果をあげる方法とメリット
ここからは、不動産業界においてそのチラシ配布の効果をより上げる方法について、解説していきます。
1.配布方法はポスティングがおすすめ
冒頭部分でも解説したように、チラシの配布方法は「新聞折込」と「街頭でのチラシ配布」・「ポスティング」の3種が存在しますが、私たちがおすすめする方法は「ポスティング」によるチラシ配布です。
ポスティングでは、ターゲットを絞り情報をタイムリーに届けることが可能だからです。
チラシ集客といえば、多くの業界で新聞折込が代表的な手法であるといわれています。
しかし、新聞折込はその新聞自体を選ぶ媒体によって読者層が異なり、費用も高くつきます。
例えば、日経新聞や読売新聞といった大手新聞会社の効果が高い消費者層もあれば、地方新聞の方が効果が高く見込められる消費者層もあります。届けたいエリアの住民全員が広告を出す新聞を購読しているとも限りません。そのため、費用対効果があまり高く望めない可能性があるのです。
2.ターゲット設定を行う
ポスティングの大きな特徴として
「チラシの配布エリアやターゲットを絞ることができる」
という点もあげられます。
マーケティングの基本として押さえておきたいポイントがこの「ターゲットを絞る」ことです。そして、上述したように不動産特有のポイントとして、「物件の購入者は物件の近くで見つかることが多い」という傾向があります。
これらから、不動産売買とポスティングがいかに相性が良いかがわかるでしょう。
売却予定の物件の近隣エリアに絞ってチラシをポスティングすることで、近場で住み替えを考えている人の元に直接チラシを届けることができ、高い効果を見込むことができるのです。
さらに、チラシポスティングは狙った家・エリアにのみ配布することが可能な配布方法です。高級マンションの売却であれば高級住宅街に、といったようにターゲットとなる層に直線的にアプローチすることができるのです。マンションが欲しい人と一戸建てが欲しい人とでは物件に求める条件が変わってきます。同じように、新築・中古でも求めているものに違いがあります。
マンションの場合…
・マンションに求める条件:単身向けのコンパクトな物件
・広さが売りのファミリー向けの物件
・富裕層向けの高級マンション
など、それぞれ大きくターゲット層が変わるのです。
「自社の物件を購入しそうな人はどんな人なのか?」しっかりと分析してからターゲット設定を行なうことが、チラシの効果を上げるための最善方法だといえるます。
3.マンションから配布してみる
初めて不動産物件のチラシ配布を実施する場合、まずはマンションから配布することをおすすめします。正しくは、売り物件のマンションのチラシを同じマンションの住民に配布するのです。
なぜなら、マンションには「同じマンション内の住民が他の部屋を購入したい」という特殊なニーズが存在するからです。自分や親族のための家を同じマンションからもう一部屋購入するという需要があるのです。
また、マンションの場合、売り物件を持っていなくても「売り物件求む」チラシを投函することに価値が存在します。竣工したての新築マンションには、意外と売却ニーズがあるんです。「ローンがきつい」「転勤が決まった」「思っていたものと違う」等の理由から、新築マンションでも売り物件が出てくることがあります。
そのような方々に、新築マンションを売るための背中を押してあげるように、定期的にチラシを撒き続けることで、売り物件を掘り起こせる可能性を見込むことができます。
4.配布範囲を近隣に絞る
チラシの効果をさらに上げるためには、チラシの配布範囲を近隣に絞ることがコツです。
地元企業からの情報になればなるほど、親しみがわきやすく信頼も得やすいからです。
デジタルやネットが普及した今でも、人間の心理として、一般的には遠方の会社よりも実際に自分の目で店舗を見たことがある会社の方が信頼を持ちやすいという傾向があります。
規模を大きく例に出すと、横浜市の会社が札幌市にチラシを撒いても、受け取る側はピンと来にくいことは想像が付くと思います。
ですので、チラシを配布する際は、配布範囲をターゲットとなる層に絞って配るようにしましょう。
5.頻度をあげる
チラシの配布範囲を狭めることで、コストを抑えることができます。
その分の予算を、「配布頻度をあげること」にあてることにおすすめします。
チラシは、いかにお客さんの目に留めることができるのかが重要です。ですので、撒く頻度を上げることが、効果をあげるコツに繋がるのです。
実際に、チラシは1回限りの配布よりも複数回配布を継続することでチラシの存在を認知し把握してもらうことができます。1-2回目は、届いていても興味を持たれにくく、捨てられてしまう可能性も高いです。
チラシという宣伝方法は、受け取る側がたまたま売却や購入への関心が高いタイミングで届くことで効果が高くなります。しかし、不動産物件において受け取る側の関心がいつ高まるか、その傾向は掴みにくいです。そこで、配布頻度を上げることで、単純に買い手側の目に留まる回数をあげるのです。
チラシ配布は、広範囲に1回撒くのではなく、狭い範囲で複数回継続的に撒くようにしましょう。
6.デザインを統一する
チラシのデザインは、企業ごとに統一するようにしましょう。
パッと見た時に、すぐにどこの会社のチラシであるか分かるようにするためです。
不動産業界のチラシは、無理に着飾る必要はありません。
確かに、カラフルなチラシとシンプルなチラシでは、大きく印象が変わります。
しかし、ただ色が多ければ物件が良く見えるとは限りません。むしろ築古物件ではモノクロデザインの方が印象良く見える場合もあります。反対に、新築物件には、高級感漂うデザインの方が魅力的に映るのです。大切なのは、企業の統一された雰囲気の中で、物件に合わせたデザインを採用することというです。
チラシのデザインを統一させる目的は、顧客が買い替える意欲が高まったときに、真っ先に自社の存在を思い出してもらうことです。ですので、チラシのデザインは単純にわかりやすく作ることをおすすめします。
デザインで企業ごとに差が出るポイントとしてあげられるのは、「間取り図」です。
間取り図専用のソフトウェアを利用している企業が多いですが、手書きの間取り図を載せる企業や、設計図面のコピーをそのまま記載する企業、おしゃれな間取り図を広告用に制作する企業も存在します。ここは、企業によって差が出るポイントになるでしょう。
ただ、前半部分でお話したように、他社との差を気にしすぎてデザイン性を注視しすぎたために分かりやすさがなくなってしまうようなデザインにならないように注意は必要です…!
チラシ広告の注意点…!
実際にチラシを制作することが決まったら…
どのようなチラシを用意すればいいのでしょうか…?
不動産業界では、チラシ作りに特徴的な注意点が存在します。
このポイントを抑えなければ、最悪の場合免許剥奪になる恐れもあります…!
不動産業界の方にとっては基礎的知識かもしれませんが、ここからチラシ制作における注意点について解説していきますので改めて一緒に確認していきましょう。
1.チラシ配布×不動産に関する法律
不動産売却の広告を掲載する際、法律として定められているルールがいくつか存在します。
消費者が不利益を被らないよう、「宅地建物取引業法」などの法律によって広告表現が規制されているのです。
ここでは、主な3つのルールについてご紹介します。
- 誇大広告の禁止(宅建業法32条)
- 広告開始時期の制限(宅建業法33条)
- 取引態様の明示(宅建業法34条)
1:誇大広告の禁止(宅建業法32条)
誇大広告とは、実物以上に良い表現で誤解を生んでしまうような表示をした広告です。
事実と異なる内容を表示したり、実際にものよりも著しく優良な情報を提供することで、購入希望者に誤認させるような表現は、この法律によって禁止されています。
2:広告開始時期の制限(宅建業法33条)
不動産売却の広告を出せる時期に関しても、その物件の状況によって制限があるのです。
そのルールを提言しているのがこの法律です。
未完成の宅地は、開発許可を受けた後、建築確認をしてもらった後でないと広告が出せません。既存の住宅を売却する際は関係性の低いルールですが、大規模なリフォームをしている場合などは注意しましょう。
3:取引態様の明示(宅建業法34条)
広告には取引態様を明確に記載することが義務付けられています。
取引態様とは宅地物件の取引形式のことを指します。
この取引形式は、
「自己取引」:自己が契約の当事者になる
「代理取引」:代理人として契約交渉等に当たる
「媒介」 :媒介して契約を成立させる
の3つに分けられます。
不動産の広告作成の際は、条文も参考の上、注意して制作するようにしましょう!
具体的な宅建業法などの法律内容については、こちらの国土交通省の記載をご参照ください。
また、「不動産業界の法律」に関わらず、
・掲示法(不当景品類および不当表示防止法)
・表示規約(不動産の表示に関する公正競争規約)
など、課題広告にならないよう広告制作時に意識しなければならない法律ですので、注意が必要です。
<ちなみに…>
これらの法律では、以下のような表現をNGとしています。
・性能や機能に関して、客観的に判断できる内容
震度7度の地震でも崩壊しない
業界1の広さ
1等地 (根拠なし)
・一切の手落ちがないことを印象づける言葉
完璧 / パーフェクト / 完全無欠
・極端に安い商品であると印象づける言葉
破格のお値段 (基準なし)
激安 / バーゲンセール
・明確なデータ・根拠が存在しない競争事業者との比較
業界初 / 業界1 / 日本1 / 日本初
・物件の内容や価格が実際よりも優良・有利であると誤解される表現
「駅徒歩0分」 (1分未満は切り上げ)
賃料◯◯万円 相談 (相談可は表記不可)
・取引不可能な物件の表示
現実に存在しない物件の記載
完売済みの物件
https://www.johnsonhome.biz/info/contrivance/posting-flyer-know-how.html
このようにみると、お客様の要望に対して具体的な情報をあまり提供できないというポイントに気づくでしょう。
ただ単純に煽るようなだけの広告表現ではなく、どんな情報が求められるかに注意しましょう。
広告ルールには沿っていても、記述の間違いが問い合わせの際に発覚するようなことは避けたいので、注意するに越したことはありません…。
2.違法と判断されるポスティング
ここからは、チラシ制作の際に関わる広告に関する法律だけでなく、チラシ制作後の配布「ポスティング」に関する注意点について解説していきます。
「不動産のポスティング」に関する法律はありません。不動産のチラシをポストに投函すること自体は違法ではありません。
しかし、ポスティングするときの行動によっては、違法と指摘される場合があります。
【違法と判断される行動例】
- 無断で敷地に入りポスティングした場合
- 禁止地区に配布した場合
- 敷地内に自転車を止めた場合等…
違法となれば、不動産の訴求活動に悪影響を及ぼしますので、くれぐれも違法にならないよう注意して配布していきましょう。
チラシ制作のポイント
不動産の広告は、広告代理店が担当することも少なくありません。
しかし、今回は売り主が直接不動産会社宛にチラシの作成を依頼する際により効果的な広告チラシを作成するためのポイントを紹介していきます。
1.物件写真を大きく掲載する
チラシを見て、ほとんどの方がまず最初に目にするのは物件写真です。
内装が重要なのはもちろんですが、外観はその物件の第一印象になるので出来る限りこだわるようにしましょう。
掲載する写真は、より実物に近く、映りがいいものを選ぶことで、目を引いてもらいやすく高い効果を望むことが可能になります。
2.購入希望者の行動を促す情報、知りたい情報を記載する
チラシの掲載内容として写真同様、その物件に関する情報は必要不可欠です。
内容として、購入意欲を高めるために、お客さん側がどのような情報を求めているのかを把握して記載することが重要です。
欲しい情報が記載されていない場合、その人の希望の物件であっても選択肢にしてもらうことができず、チラシに目を通してもらえない可能性すら出てきます。
情報の記載漏れがないか、今一度確認してからポスティングするようにしましょう。
最低限必要な情報
⇒物件の住所 / 駅からの距離 / 周辺の施設(学校・病院・スーパー等) / 環境 / 間取り
それぞれの記載ポイント
⇒価格:頭金を入れた場合のローン返済シミュレーションなど、詳細な金額を表示
間取り:住んだ時をイメージできる写真や文言も追加する
所在地:最も注目されやすい左上に記載
問い合わせ先:会社の電話番号や担当者名を明記
上記のポイントを押さえることで、より親切で分かりやすいチラシを作ることができます。
3.特徴は生活者目線で書く
必要情報に加え、購入希望者が日常生活をイメージできるような詳細な情報もできるだけ多く記載することで、注目度は高くなり高効果を見込むことが出来るようになります。
つまりポイントとなるのは、
物件の特徴を羅列するのではなく、
売りたい物件の特徴を生活者目線で書くことです。
例 物件の特徴:生活者目線の特徴
駅前にショッピングモールあり : お休みの日は駅前のショッピングモールでお買い物!
ロフトあり : ゆったりと眠れる寝室に使えるロフト付き
広いリビング : 家族でゆったり過ごせる広いリビング
このように、実際の生活をイメージして記載することで、より購入者に近い印象を持ってもらえることもあり、それは顧客との信頼性の構築にも繋げることができます。
4.キャッチコピーを考える
チラシのターゲットを決めたら、そのターゲットにより刺さるキャッチコピーを考えましょう。
端的に商品の良さをアピールする言葉であるキャッチコピーが魅力的であればあるほど、ターゲットの印象に残るチラシを配ることができます。
キャッチコピーを考えるときは、ターゲットにとってのメリットや利益がダイレクトに伝わるように意識することが大切です。「家事と子育てが楽になる」など、ターゲットの悩みが解決するような文言や、ターゲットが重要視している文言を追加することで、より印象に残るキャッチコピーを考えることができるでしょう。
実際に住んでいた売主や近所の人の意見を反映し組み込むことで、よりリアルな声で興味を引くこともできるので、キャッチコピーは売主と不動産会社など関わっている方と共に意見を出し合って見ることもおすすめの方法です。
5.担当者の笑顔写真を載せる
チラシには、担当者の写真を記載するのもおすすめします。
顔が見えることで信頼性・親近感を与えることができるからです。
不動産物件の購入は、間違いなく高額な買い物になるので、物件を買いたいと考えている人にとって、より信頼できる人に担当してもらいたいものです。
いくらチラシや物件が魅力的でも、チラシを読む人に信頼してもらえなければ、問い合わせには繋がりません。
チラシに担当者の顔写真を載せることは、読む人の不安の解消に役立ちます。
ただ掲載する場合は顔写真ならなんでも効果的!というわけではありません。あくまで読む人に好印象・信頼感が与えられるような、笑顔の写真を掲載するのが良いでしょう。
不動産の広告方法の現状
このように、アナログ広告であるチラシ広告は、しっかりと効果を出すことが可能な販売促進活動です。予算やリテラシー問題などチラシ広告だからこそのメリットも存在します。
しかし、デジタルが普及し、不動産会社でも89.8%がインターネット広告を利用しているのも現状です。そのため、インターネットを全く用いないチラシのみの販売活動で集客するのは難しくなってきています。
ネット広告と比較すると、チラシ広告は制作が容易でもその効果を具体的に把握し効果を出し続けることは難しく、時間も労力もかかってしまいます。
効果は見込めるが、自社で全て担うことは少し難しい広告方法ともいえるでしょう。
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