紙施策は「例外」扱いされてきた

マーケティングという言葉が語られるとき、
紙施策はどこか特別な存在として扱われがちだ。
デジタルは測れる。
紙は測れない。
だから、考え方も違っていて仕方がない。
こうした前提が、無意識のうちに共有されてきた。
結果として、紙施策は
「改善できなくても仕方がない領域」
として切り分けられてしまう。
だが、これは紙施策の性質による問題ではない。
思考の当てはめ方を最初から放棄してきたことが原因だ。
マーケティング思考は紙にもそのまま使える
マーケティング思考の核は、
成果 → 判断 → 施策
という順序にある。
この順序は、紙施策でも変わらない。
違うのは、使う手段だけだ。
どんな成果を得たいのか。
その成果をどう判断するのか。
判断に至るために、どんな施策を打つのか。
紙だから考えられない、という要素は本来どこにもない。
考えていないだけという状態が、
長く続いてきただけだ。
「測れない」ではなく「設計されていない」

紙施策が改善されない理由として、
よく「数値が取れないから」という説明がなされる。
しかし実際には、
数値が取れないことよりも前に、
判断基準が置かれていないケースが多い。
何をもって成功とするのか。
どこを見て判断するのか。
次にどう活かすつもりなのか。
これらを決めずに実行された施策は、
結果が出ても意味づけができない。
意味づけができなければ、改善も起きない。
つまり、
紙施策は測れないから改善できないのではなく、
改善を前提に設計されていないから、測る必要が生まれていない。
紙施策を「考える領域」に戻す

ここで必要なのは、
紙施策を特別扱いするのをやめることだ。
デジタルと同じ思考の枠組みに乗せ、
成果と判断を先に置く。
その上で、紙という手段をどう使うかを考える。
この順序が整えば、
紙施策は「やるしかない業務」から、
意思決定の対象へと変わる。
次章では、
こうした設計思考の起点として、
「お客」をどう捉えるべきかを整理していく。
誰に向けた施策なのかが曖昧なままでは、
どんな思考も機能しないからだ。
