世界で圧倒的なシェアを獲得している無料CMSサービスの「Wordpress」。
近年では多くの企業がWordpressを用いてWebサイト運営を行っています。
この記事を読んでいる方の中にも、実際に利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
知名度や利用者が多いことから安全性も高いと思われがちですが、Wordpressを安全に運用するには運用者側もセキュリティ対策を行うことが必要不可欠になります。利用者が多い分、良くも悪くも情報が拡散されやすく、知りたい情報がすぐに手に入る代わり悪意ある人からの攻撃も受けやすいのです。
今回は、そんな「Wordpress」について基本的な知識・Wordpressの特徴やメリットから運用時のポイント、おすすめのサービスまで詳しく解説していきます。
WordPressとは
WordPressとは、世界で圧倒的なシェアを獲得している無料で使えるCMS(コンテンツシステム)です。
全世界のホームページの1/4で利用されているほど圧倒的なシェアを誇っています。
WordPressは、ソースコードを全世界に公開しており、誰でも編集・開発することが可能なオープンソース形式のCMSです。ボランティアで開発を行っている人もいるほど、世界的で盛んに開発が行われています。だからこそ、そのバージョンアップに互換性があり、そこを突こうとするハッカーの標的となる場合もあるので注意が必要なんです。
WordPressを理解するために…-初心者向け-
上記のように、WordpressはCMSサービスの1つです。
まずは、運用の初期段階としてこの「CMS」についてご紹介していきます。
CMSとは
CMSとは、Webサイトの裏側、つまり「管理画面」とも呼ばれる「コンテンツ管理システム」です。コーディング(=プログラミング言語を使ってソースコードを作成すること)の知識がなくてもWebサイトの構築や運用が可能なシステムの総称を指します。
簡単にいうと、Webに関する知識がなくてもWebサイトが作れたり更新することができるサービスがCMSなのです。Web制作は本来、HTMLと呼ばれる文章を定義するための言語や、CSSと呼ばれるwebページのデザインやレイアウトのスタイルを指定する言語など、専門的な知識や技術が必要となりますが、CMSを利用することでそのような知識がなくとも、Word作成感覚でサイトの更新・管理が可能になります。
CMSの特徴
Webサイトの制作・構築に携わったことのない方にとって、CMSとは何か、理解しにくいと感じる方もいらっしゃると思います。
そこで、CMSの導入によってサイト管理がどう変化していくのかを解説していきます。
<CMSを導入していないWebサイトでは…>
1ページずつWebページのデータを作成し、それをそれぞれ保存・管理する必要があります。
<対して、CMSを導入しているWebサイトでは…>
データベース上に個別に保存されている画像やテキスト・テンプレートなど、サイトを構成するデータを必要に応じて取り出し、Webページを自動的に生成することが可能になります。この場合、サイトを更新する際にそのページの全データを編集する必要はなく、該当部分のテキストのみを取り出して編集し更新することができます。Webサイト運用の分業化を進めることが可能になるサービスがCMSなのです。
CMSの種類
CMSは大きく3種類に分類することができます。
- オープンソースCMS
- パッケージCMS
- クラウドCMS
です。
WordPressは、オープンソースCMSに分類されます。これは、システムの設計図であるソースコードが全世界に公開されており、誰でも自由に編集ができる状態のCMSです。このCMSは、自由にカスタマイズが可能なため、豊富な数のプラグインを利用することができます。
対してパッケージCMSとクラウドCMSは、商用利用を目的とした商用CMSです。
パッケージCMSは、ベンダーが独自に開発したCMSライセンスを購入して自社のサーバにインストールするタイプのCMS。このCMSは、基本機能が既にパッケージ化されているため、1からサイト構築をする必要がなく短納期で構築可能な他、サポートしてれるベンダーがいついているのが特徴です。
クラウドCMSは、CMSを提供するベンダーが管理しているサーバにシステムやデータを保管し、インターネット経由で利用できるタイプのCMS。自社でサーバーを用意する必要がなく、インターネット環境とブラウザさえあれば導入できるのが大きな特徴で個人事業主にも利用が広がってきています。
CMSについてより深く知りたい方は、こちらのサイト記事も分かりやすかったので、是非ご参照ください!
CMSとは?初心者でもわかるCMSの基礎知識とメリット、導入事例
WordPress運用のメリット
ここまでお話したように、Wordpressは世界でシェアナンバー1のCMSです。
プラグインの豊富さは他に追随を許さないCMSで、世界中で開発リリースされています。
では、なぜここまでWordpressに人気があるのか、「Wordpressのメリット」にフォーカスをあてて解説していきます。
1.利用者が多く情報が豊富
WordPressの1番の特徴は、なんといっても利用者が多いことです。
その為、WordPressに関する情報は他のCMSよりも圧倒的に豊富です。基本的な情報であれば、検索をかけることで一発で出すことができるでしょう。操作につまずいた時も、「Wordpress ○○」で調べれば大体の情報を見つけることができます。この情報量の多さは他のCMSにはない特徴の1つです。
また、この圧倒的なシェア率を誇る要因の1つとして、ローカライズのすごさがあげられます。ローカライズとは、その品やサービスを、別の国や地域でも受け入れられるように最適化することです。(英語版のアプリケーショから日本語版を作るといったイメージ…!)
言葉の特性に従って機能が追加される場合もあるので、直訳すれば良いというわけではありません。その国の人が使いやすくなるようにする必要があります。
WordPressはとにかく利用者・開発者が全世界にいますので、人気のあるプラグインは早急に最適にローカライズされており、日本人でも使いやすくなるように開発されています。
この情報の多さと、ローカライズされている点が、利用者の多いWordpressのメリットといえるでしょう。
2.拡張性が高い
WordPressのメリット2つ目は、サイトの機能を拡張できる機能が導入できること、その種類の豊富さです。その数、約55000種以上も存在します。
ここでは、Wordpressのカスタマイズに必要不可欠な要素を2つ紹介します。
2-2 プラグインとは
1つめは、Wordpressを運用するうえで必要不可欠であろう「プラグイン」です。
プラグインとは、できることを増やすためにくっつける機能拡張用のソフトウェアです。
標準のWordpressにはない「機能」が「プラグイン」という形で配布されており、必要に応じて自由に選択してインストールすることで、Webサイトにそれぞれの機能を持たせることが可能になります。
さまざまな人の「欲しい機能」をプラグインという形で世界中の人が開発し、公開することでWordpressの機能がどんどん拡張していっているのです。
近年では、Webサイトに画像や文字のアニメーションを加えるほか、決済もプラグインで行えるようになっています。テキストを入力する編集画面であるエディタ自体を自分の使いやすいものに入れ替える、カスタマイズすることも可能です。
2-3 テーマとは
2つめは「テーマ」です。
WordPressにおいてテーマとは、デザインや機能がパッケージになった、外観のデザインを構成するための要素を指します。
テーマをインストールすることで、誰でも簡単におしゃれで高機能なホームページを構築することが可能です。複数のテーマをインストールしておいて、好きな時に切り替えて使用することもできます。通常のWebサイト制作ではデザインから制作までを1から作る必要がありますが、Wordpressのテーマを利用することでテーマを作る手間を省くことができるのです。
3.CMSが無料で使える
3つ目のメリットは、Wordpressの価格設定です。
WordPressは、オープンソースCMSですので、無料で使うことができます。
Webサイトをブラウザで表示させるためのサーバやドメインさえ自分で用意できれば、Wordpressのシステム自体は無料で利用できます。複数利用しても利用料をとられることはありません。
つまり、Wordpressを使った場合、Webサイトの運用に必要な費用はサーバー代とドメイン代のみということです。低予算からWebサイトを構築することができます。
独自ドメインを設定すると有料になるホームページ作成サービスが多い中、独自ドメインの場合も無料で利用できるのは大きな魅力だといえるでしょう。
4.SEOの内部対策を自動で実施
4つ目のメリットは、WordpressはSEOの内部対策を自動で実施してもらうことができることです。
WordPressには、URLやタイトルの正規化などSEO対策に必要な基本的機能の8割以上が標準搭載されています。
利用には各自設定をする必要がありますが、SEOを強化するプラグインも用意されています。また、表示速度やモバイルフレンドリー対応も自動でされるため、テクニカルSEOの面での強化も期待できるといえるでしょう。
5.専門知識がなくてもWebサイトの構築ができる
CMSが登場するまで、サイト制作といえばHTMLやPHPといった専門的な知識が必要とされていました。現在でも、より自由にレイアウトやカスタマイズをしたい場合はこのような知識が必要ですが、Wordpress自体はこれらの言語がわからなくてもWebサイトを作成することができます。
Webサイトを作り、レイアウトを変更し、画像や文書の挿入する、この一連の流れがWord感覚で操作できるのはとても画期的だといえるでしょう。
6.ユーザーの声が届きやすい
続いてあげるWordpressのメリットは、Wordpressとユーザーの距離の近さです。
上述したように、有志のボランティアの方もいるほどWordpressの開発は世界規模です。趣味で開発される方もいらっしゃいます。そのため、ユーザーの声を見ている開発者は多く、頻繁にその声に対応した開発・修正が行われています。
日ごろからユーザーの声を反映する傾向があるため、ユーザー主導のCMSといっても過言ではありません。
WordPress運用のデメリット
ここまで、Wordpressの魅力について解説してきました。
メリットがあればもちろんデメリットも存在します。
ここからは、WordpressでWebサイトを運営する際のデメリットについて解説していきます。
1.企業用のWebサイトを作るなら専門知識が必要
まずあげられるデメリットは、サイトのクオリティをあげる為には結局知識が必要になってくるということです。
WordPressは、基本的に専門知識がなくても簡単なWebサイトを構築することが可能です。しかし、企業用のWebサイトなどサイトのクオリティを高めるには、サイトをカスタマイズするためにHTML/CSSだけでなく、PHPの最低限の知識が必要になってきてしまいます。
この知識がないままWebサイトを作成すると、一般的な個人ブログのようになってしまいます。さらに、間違った状態の設定画面で更新してしまうと、最悪Webサイトが表示されなくなることも起こりかねません。企業としてWordpressを使うには、ある程度の知識がある人材が必要になってくるでしょう。
また、Wordpressは、一定のITスキルを持った人が対象です。誰でも簡単に操作できる便利ツールではないのです。IT知識の少ない初心者含め全員が使えるようにするには、そのためのカスタマイズをする必要が出てきます。
2.マニュアル・電話サポートがない
WordPressには、電話サポートが用意されていません。これがデメリットの2つ目です。
簡単なヘルプ機能と問い合わせのメールフォームは用意されていますが、Wordpressは自分で調べて解決することが大前提とされているサービスですので、マニュアルもほとんど用意されてません。
検索時の情報が多いのは魅力の1つですが、何か不具合が生じた際すぐに電話で解決できないのは難点です。全ての対処法を1から調べなければならないので、多くの時間を割く可能性があることは予め把握が必要です。
プログラムに自信がない方や初心者にとって、操作しやすいツールとは言い難いでしょう。
3.有料テーマには注意が必要
3つ目は、中には有料のサービスも含まれていることです。
WordPressのテーマは、世界中で開発されており、その多くが無料で配布されています。
しかし、特にデザイン性が高く独自の機能をもつテーマは有料で販売されているものも存在します。
以下のような方にはこの有料テーマをおすすめします。
- とにかく低予算で制作したい
- キャンペーンなどのために利用し、長期運用はしない
- 機能を追加したり、コンテンツを拡充させる目的がない
テーマは、そのまま使用できて面倒なカスタマイズが不要なので、製作費をおさえたい場合は検討をおすすめする選択肢の1つではあります。
しかし、有料テーマは便利な反面、高度なつくりになっているためカスタマイズが難しく、バージョンアップも簡単にはできない可能性があります。何か問題が生じた場合には、テーマの開発側にも問い合わせする必要が出てくるので、責任範疇が複雑になりやすい点にも注意が必要です。
つまり、有料テーマは、ずっとそのまま使うのであればとても便利ですが、ホームページを改修する際に足枷になってしまうのです。
4.プラグイン導入が基本。
4つ目は、プラグインの必然性です。
インストール直後のWordpressは、画像の差し替えさえできません。
WordPressにおけるプラグインの種類の多さはメリットとしてもあげられますが、反対にプラグインが必要不可欠であるとも言い換えることができます。
WordPressは、このプラグインのいう拡張機能を追加することで、適切なウェブサイトに構築することができるのです。
今この瞬間も増え続けており、膨大な量が存在するプラグインは、全てがすべて完璧な機能をもたらすとは限りません。その機能や品質は宝石混在です。中には、数年で開発が停止し、その後の運用に支障をきたすものもあります。
また、本体のバージョンや他のプラグインとの相性によって不具合が生じる場合もあります。さらに、プラグインは増やせば増やすほどセキュリティ面が脆くなっていきます。Webサイト全体のセキュリティ対策が充実していても、導入しているプラグインの中にセキュリティ面が弱いものがあれば、そこを突かれてサーバー攻撃を受けてしまいます。セキュリティ問題が発覚した際は、Wordpress本体同様にバージョンアップが必要です。
膨大なプラグインの中から安全で最適なものを選択するには、制作ノウハウだけでなく、運用ノウハウも重要になってくるのです。
5.画像編集は苦手…
WordPressは便利なCMSですが、画像の加工は得意ではありません。
写真や画像は、ブランドイメージに大きく影響を与えるためサイトを制作するうえで重要視する部分です。
しかし、CMSだからといってすべてを賄えるわけではないので、画像でボタンをつくったり、写真の明るさを調整するには別途画像編集ソフトが必要になります。
6.設定のバックアップ・監視は管理側で行う
WordPressの機能には、サイトのカスタマイズのバックアップ機能は存在しません。
投稿記事には自動保存・リビジョン記録をしてくれますが、テーマやプラグインほか、サイトのカスタマイズについては変更履歴や記録を残すことはできないので、管理者側で管理する必要があります。
トラブルが発生してしまった時の備えとして、サイト内のどの部分を変えたのか、以前どのような設定だったのか、Webサイトの更新頻度に応じて運営側が定期的にバックアップを行うようにしましょう。
また、Wordpressサイトの表示速度が適切に維持されているかどうかを定期的にチェックすることも必要です。Wordpressで構築されたWebサイトは、ページを表示する際に毎回サーバー上でプログラムを動かす必要があるため、シンプルなWebサイトと比べると表示が遅くなりがちです。表示速度が遅いと、ユーザーの利便性や検索順位にも悪影響を与えます。
ですので、管理者側が表示速度が維持されているか、定期的に確認する必要があるのです。
WordPressの向き不向き
サイト編
以上のメリット・デメリットを踏まえ、Wordpressの利用に向いているサイト/向いていないサイトをそれぞれ紹介いたします。
- WordPressに向いているサイト
- 個人サイト(趣味のサイト)
- ブログサイト(個人・ビジネス)
- アフィリエイトサイト
- WordPressに向いていないサイト
- 複雑な検索機能が付いているサイト
- 大規模なサイト
- 高いセキュリティが必要なサイト(例:顧客情報を扱う)
向いていないにあげられたようなWebサイトの制作を検討されている方は、Wordpressを取り入れるかどうか、慎重に判断することをおすすめします。
人編
続いて、Wordpressの運用に向いている人/向いていない人の特徴について紹介します。
運用を検討されている方は、自分が向いている人なのかの判断材料の1つに活用してみてください。
- WordPressの運用に向いている人
- ワードプレス学習にかける時間を確保できる
- プログラミング言語に対して拒否反応がない
- ハードルは高くてもブログやホームページを自由にカスタマイズしたい
- SEO設定などを全て自分で行いたいと考えている
- ワードプレス利用に際してサポートがなくても大丈夫
- ブログやホームページに応じたテーマやプラグインを正しく選べる
- WordPressの運用に向いていない人
- 本業に忙しくワードプレス学習に割ける時間が少ない
- ドメイン購入やサーバーレンタルなどの作業を一括にまとめたい
- カスタマイズよりも「記事を書くこと」に集中したい
- SEO設定などの難しい部分は誰かに任せたい
- サポートを利用しながら効率よくブログやホームページを運用したい
- ブログやホームページをとにかく簡単に作りたい
引用:初心者にはワードプレスは難しい!?向き不向きをチェック
WordPress運用の注意点
ここまで、Wordpressの特徴についていろいろな観点から解説してきました。
WordPressがどんなサービスなのか、ある程度理解していただけたでしょうか。
ここからは、そんなWordpressをいざ運用しよう!となった際、注意すべきポイントについて解説していきます。
1.集客を行うには専門知識が必要
まず、Webサイトを作る目的が、”集客”の場合、集客を意識したWebサイトを作成しないとユーザーにアクセスしてもらうことは難しいです。集客には下記の2つがポイントになります。
1-1 SEO対策
1つめは、SEO対策です。
SEO対策とは、検索エンジンで特定キーワードを入れて検索した際、自社のWebサイトを上位に表示させるための対策。Wordpressの有無に関わらず、集客を行う上で最も重要な部分ともいえます。
メリットの部分でも触れたように、WordpressでもSEO対策のための機能は存在しますが、そこからの細かい設定は自分で専用のプラグインを導入し設定を行う必要があります。
SEO対策の設定は、Web集客戦略に直結しますので、どのようにSEO設計をしたらビジネスに反映されるのか、SEOの知識と実行するノウハウ・技術が必要になります。
1-2 UI/UXデザイン
2つめは、UI/UXデザインです。
UIとは、ユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み、UXとは、サービスなどによって得られるユーザー体験を指します。
デザインを軽視すると、SEO対策によりアクセス数が増えても、そのユーザーがサイトから離れていってしまいます。ビジネスとして、自社のコンテンツをわかりやすく紹介し購入へ誘導する流れを作る必要があるのです。そんなサイトを作るためには、Wordpressの操作を理解してデザインするだけでなく、集客力があるデザイン性を持たせるための一定のスキルが重要になってきます。
ユーザー導線を設計し、1.自社サービスの魅力を伝える、2.Webサイトに訪れてくれたユーザーから問合せなどを獲得する というのが「集客ホームページ」の基本戦略になるのです。
2.システムのバージョンアップ
2つめは高頻度でバージョンアップを実施することです。
WordPressは日々開発が進められているが故に、バージョンアップの頻度が高いです。バージョンアップを怠るとハッカーの標的になるので、バージョンアップは必要不可欠になります。
変更範囲の広いシステムのメジャーアップデートは、1年に4回ほど実施されています。
更新自体は1クリックのみで簡単ですが、注意すべきなのは
WordPressはシステムとプラグインに互換性がある
ことです。バージョンアップして完了!ではないのです。
システムだけバージョンアップしても、同タイミングでそのバージョンにプラグインが対応できているとは限らず、動かなくなってしまうことがあります。そのため、システムのバージョンアップ後は、適宜プラグインもアップデートすることが必要になるのです。
3.セキュリティ対策
最も注意しなければならない注意点がこのセキュリティ対策です。
先ほども解説したように、Wordpressは利用者が非常に多く、その市場はCMSの半数以上に上ります。機能や情報量が多い分、ハッカーの標的にもなりやすいのも現状です。
ハッカーからの攻撃を防ぐためには、セキュリティ対策が必須になります。
WordPressを商用として使うのであれば、セキュリティのリスクを把握して、しっかりその対策をとることが必要不可欠になります。
ここからは、そんな最重要のWordpress×セキュリティについて解説していきます。
WordPress運用とセキュリティ
WordPressのメリットや注意点を踏まえると、Wordpress運用には機能が正しく動作し続けるように管理すること、「保守」が必要不可欠です。
Webサイトが想定通りに表示されていなければそれを修復するのはもちろん、WordPressそのもののバージョンアップやサーバーの更新、連携しているSNSの仕様変更への対応なども、保守で必要な業務です。
Webサイトの保守を徹底することで、安定した運用、攻撃からの防御、表示速度の維持、集客や集客の向上に備えることが出来ます。Webサイトを保守することは、セキュリティ対策に直結する業務になるのです。
では、具体的なWordpressのセキュリティ問題についてここから解説していきます。
1.Wordpressは攻撃を受けやすい。
最初からここまで読んでくださった方は、耳にタコになりますが、Wordpressはそのシェア数がとても多い分、ハッカーの標的にされやすいという特徴を持っています。
WordPressを初めとするオープンソース形式は、いわば設計図を全世界に公開している家のようなものですので、その分簡単に中身を分析することができるので、攻撃者の侵入手段も見つけやすいです。
攻撃者が侵入する、つまりシステムの欠陥、セキュリティホールとも呼ばれる脆弱性が見つかりやすく、この脆弱性がWebサイトにリスクを生むのです。
WordPressは、人の手で作成している以上脆弱性を0にするのは不可能です。この脆弱性を突いた攻撃は、ファイアウォール(ネットワークの通信において、その通信をさせるかどうかを判断し許可するまたは拒否する仕組み)で防ぐことが出来ないのが実情です。
ですので、Wordpressを利用する際は各自自らこの脆弱性に対応していく必要があるのです。
プラグインの多さはWordpressの魅力の1つですが、このプラグインが攻撃の入口になってしまうことも多いです。
WordPressの開発者=プラグインの開発者 ではないので、プラグインはWordpress本体と別の脆弱性をかかえているということになります。ここが、サイバー攻撃の突破口として利用されやすく、プラグインを増やせば増やすほどセキュリティ面は脆くなるといわれている原因部なのです。
2.Wordpressが狙われやすいサイバー攻撃の種類
サイバー攻撃は、顧客情報の引き出しからSQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング・DoS攻撃など多岐にわたります。その中で、Wordpressが標的になりやすい代表的なサイバー攻撃は以下の4つです。
①コンテンツインジェクション
②ゼロデイ攻撃
③ブルートフォースアタック
④ソーシャルハック
①コンテンツインジェクション
コンテンツインジェクションとは、リモートからサーバー上にあるコンテンツ自体がハッキングされ、改ざんされる攻撃法です。この攻撃はWordpressならではの手法で、攻撃コードがネット上で容易に手に入れることが出来るほどメジャーなサーバー攻撃の一種です。実際に、有名人のサイトにも被害が発生して騒然となった事例もあります。
コンテンツは、Webサイトにとってもっとも重要な要素です。つまり、Wordpressの脆弱性が攻撃者に見つかり、コンテンツインジェクション攻撃を受けると、Webサイトそのものの信頼度をいちじるしく損なってしまう可能性があるため、その被害の大きさは計り知れません。
②ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃とは、新たな脆弱性が発見されたとき、そこを補強するパッチが公表される前にその脆弱性を狙って行われるサイバー攻撃のことです。シェア数の多いWordPressはこのゼロデイ攻撃を受けることが多くなっています。
WordPressで複雑なプログラムで構成されている場合、脆弱性が生じることは避けられません。開発者は、脆弱性が見つかると早急に修正パッチを公表しますが、公表前にハッカー側に脆弱性が見つかってしまうことがあります。ハッカー側はそのスピード感で脆弱性を悪用してくることがあるのです。さらに問題の明確な対策方法がない状態で攻撃を仕掛けられるため、ゼロデイ攻撃は非常に危険な攻撃といえるでしょう。
③ブルートフォースアタック
ブルートフォースアタックとは、いわゆる総当たり攻撃のことを指します。
この攻撃では、任意の文字列を次々にパスワード欄に入力し、ユーザーのIDやパスワードが解読されます。ログイン画面を突破されれば、攻撃者側が自由にアカウントを操作することができてしまいます。結果、アカウントのなりすましや個人情報の漏洩、Webサイトの改ざんから口座の不正利用まで様々な被害を受けてしまうのです。
④ソーシャルハック
ソーシャルハックは、ブルートフォースアタックと似た特徴をもつサイバー攻撃の手段です。こちらは他サイトなどで共通のID・パスワードを使っているときによく突かれる手法です。
ユーザーIDやパスワードを盗み出すのに、技術的な手段は利用せず、直接本人の口から聞き出す、タイプ内容を盗み見る、書類やメモを入手する、といった手段が利用されます。WordPressで言えば設定ファイル(wp_config.php)に書かれている内容を見られてしまってFTPやmySQLのアカウントが把握されることもあり得るのです。
3.悪用データで改ざん事例
標的になりやすいWordpressでは、実際どのような被害に遭ったことがあるのか、ここからはその実例を少しご紹介します。
<実際にサーバー攻撃された場合、具体的に起きた問題>
- サイトの中身の差し替え
- スパムメール送信の踏み台に利用
- 悪意あるページへの自動遷移の設置
- ユーザーの持つセキュリティーソフトが反応し、そのサイトが危険なものとアラートされる
このような問題が起きると、本来被害者側である管理者のイメージが落胆されてしまうという2次被害も引き起こされます。
自身の印象のためにもセキュリティ対策は重要視する必要があるのです。
4.セキュリティ対策内容
メリットも大きい分、デメリットやセキュリティ問題など、運用には個々で注視しなければならないポイントも多いWordpress、具体的にはどのように対策していけばいいのでしょうか。
セキュリティ対策の具体的な作業内容について、「ワプ活」に記載されているサンツォさんの記事を参考に解説していきます。【参照:WordPressの保守とは? 必要な管理・作業から外注サービスまで】
①Webサイトの死活監視
「死活問題」とはWebサイトが正常に稼働できているか、停止してしまっていないかを定期的にチェックすることです。
一般的には、一定時間おきに「ping」と呼ばれるデータをサーバーに送り、反応を確かめることでチェックを行います。
死活問題は、専用ツールを用いて自動で行うのが主流です。
そのため、手作業では気が付きにくい短時間のサーバーダウンも検出できます。早急に問題に気が付くことができますが、その範囲は稼働状況のみであり問題の原因まで即座にわかるわけではないのではありません。「解決」ではなく「発見」のために役立つのが死活問題と認識しておくようにしましょう。
②セキュリティ対策
WordPressは、サイバー攻撃の対象になりやすいのが事実です。ですので、「セキュリティ」に関する最新情報は常にチェックし、必要に応じて対策を施すようにしましょう。
私たち株式会社frame and surfaceでは、Twitterにて、最新セキュリティ・Wordpressの脆弱性情報を発信していますのでぜひ覗いてみてください。
【Twitterアカウント:@frameandsurface】
対策には、Wordpressのアップデートの他、ログイン画面やパスワードの強化・レンタルサーバーの設定変更など個人で出来る対策も存在します。
安全にWordpressを運用するためには、この個人の対策をどれだけ行えるかがポイントとなってくるでしょう。
③定期的なバックアップ
バックアップは、実際にトラブルが発生してしまった場合の備えです。バックアップをとっておけば、もしWebサイトが動作しなくなっても、前の状態に戻すことが可能になります。
WordPressにおいては、アップロード済みの写真やファイル、データベースの中身も、サーバーとは別途のクラウドサービス等に保存しておくようにしましょう。そうすることで、もしもサーバー自体が故障してもデータまで失ってしまう危険がなくなります。
バックアップの頻度はWebサイトの更新頻度に合わせて設定し、頻繁に行うようにしましょう。
④Wordpressのアップデート
「アップデート」は、セキュリティを保つための基本的かつ重要な保守作業です。
アップデートの有無を定期的にチェックし、常に最新バージョンを利用することで安全性が高まります。
また、Wordpressではアップデートを通して新機能が提供される仕組みになっています。しかし、古い機能が新しいものに「置き換えられる」こともあるので、アップデートが原因で不具合が発生するケースが存在します。そこで、アップデート前には問題がないかどうか、事前に別途動作テスト用のサーバーで確認することもおすすめです。
アップデートの対象には、Wordpress本体だけでなくプラグインやテーマも含まれます。どちらも漏れがないよう注意しましょう。
⑤サーバーの管理
WordPressは、「PHP」や「MySQL」といったサーバーに搭載されているソフトウェアを使用して動作しています。これらのソフトウェアにも、プラグイン等同様、機能追加やセキュリティに関するアップデートがあります。サーバー自体も保守の対象ということです。
レンタルサーバーを利用している場合は、サーバー会社側で対応してもらうことも可能です。この観点からも、サーバー料金の支払いや契約更新は怠らないようにしましょう。
⑥ドメインの管理
Webサイトを「独自ドメイン」で運用する場合は、ドメインを保守することも必要です。
ドメインには有効期限が存在します。定期的な更新手続きが必要になり、更新されなかったドメインは早い者勝ちで取得できる状態にされるため、取り戻せなくなる可能性もあります。レンタルサーバーと同時契約ができる場合は、セットでドメインも自動更新するようにしましょう。
⑦トラブル時のデータ復旧
万が一トラブルが発生してしまった場合は、正常な状態に戻す作業が必要です。復旧作業が遅れると、Wordpressを動作させるための重要な部分が壊れてしまうだけでなく、Webサイト自体が全く表示されなくなることもあります。「トラブルの原因となっている箇所を探し出し、問題を取り除く」この作業を早急かつ確実に行わなければなりません。
この時、事前のバックアップしておいたデータがあれば、1から復旧せずとも問題発生前のものに置き換えることが可能になり、早急な対応に繋げることができるでしょう。
⑧改ざんチェック
改ざんとは、サイバー攻撃などによってWebサイトに悪意のある変更が加えられてしまうことです。
文章を書き換えられてしまったり、ユーザーを詐欺サイトへ誘導するリンクを埋め込まれるだけでなく、WordPress本体のプログラムを改造されてしまうこともあります。
もしも被害がユーザーにまで広がれば、Webサイトの管理者は直接の被害者であるにもかかわらず、加害者になってしまう可能性もあるという恐ろしい特徴を持っているのが改ざんです。
しかし、この改ざんの発見は簡単ではありません。早期発見のためには改ざんの有無を検査できる専用ツールを使用し、定期的にチェックすることが必要です。
WordPress運用に必要不可欠で面倒なセキュリティ対策…プロにお任せしませんか?
以上、Wordpressの特徴を危険ポイントを踏まえて解説してきました。
Webサイトの制作が簡単にできる分、自分で気を付けなければならないポイントも数多く存在することが分かっていただけたかと思います。
これらの特徴をもつWordpressを安全に運用させるには、エンジニアなどサイトを管理する人材が必要不可欠になってきます。レンタルサーバーを利用していても、レンタルサーバー会社が管理するのはあくまでサーバーのみでWordpressなどのウェブアプリケーションまでは見てくれるとは限りません…。アップデートも本体をただただアップデートすれば完璧なわけではなく、互換性のチェックなど人の手が必要な作業になります。
さらに、近年サイバー攻撃のターゲットは中小企業にシフトしています。大企業はより多くの情報を抱えており影響力も大きいですが、その分強固なセキュリティ対策を備えていることがほとんどです。対して中小企業はセキュリティ知識が薄く、対策に不備がある場合が多いため、攻撃者にとって攻めやすい絶好なターゲットになっているのです。
攻撃者は、多量なIT知識を持ち合わせている人がほとんどです。ターゲットになり得る企業の中からこれらのセキュリティ対策知識を習得し、定期的に最適化ができる状態の人材を育成するには大量な労力と時間を要します。
そこで、Wordpress運用、セキュリティ対策に自信がない方に我々の開発サービス、「プリケア」をご提案します。
WordPress自動アップデートツールのご提案
株式会社frame and surfaceの提供するプリケアとは、ワードプレス製WEBサイトの自動アップデートツールです。Wordpressのお手入れから、会社の業務効率化に尽力します。
レンタルサーバー上のWebサイトを持つお客様に対し、サイトの安全を約束してさらにアップデートしていくことをお手代いたします。
特に、以下のような方は是非ご検討ください!
- 管理にかかる人件費などのコストが気になる
- 運用を任せられそうな人材がいない
- 管理・運用していくには不安がある
<サービス内容>
- 無人で毎月、自動アップデート
- 万が一のときの復旧サポート
- 表示確認付きレポートの送付
- Google Analyticsの自動レポーティング(オプション)
無料のデモンストレーションのご用意もございますので、お気軽にお問い合わせください。