WordPressの保守作業は、頻繁にアップデートされるWordPressにおいて、とても重要なものです。
しかし、WordPressの保守作業は、本体とプラグインのアップデート以外に何をするのかわからない方も多いのではないでしょうか。
じつは、WordPressをアップデートすると、今まで使えていた機能が突然使えなくなることがあります。また、WordPress自体がサイバー攻撃の対象になりやすいです。そのため、保守が欠かせません。
この記事では、WordPressを安全に使用し続けるために、WordPressの保守が必要な理由、具体的な保守作業、保守作業をプロに任せた方が良い理由、保守サービスについて、紹介します。
WordPressの保守について、疑問や不安を抱えている方は、この記事を参考にしてください。
WordPressの保守とは
WordPressの保守とは、WordPressで作られたWebサイトを、正常な状態で維持することを指します。
サイバー攻撃でWebサイトの内容を改ざんされたり、アップデートで動いていたはずの機能が停止してしまったりしたときに、保守が必要になります。次の見出しから、詳しく後述します。
コーポレートサイトやサービスサイト、オウンドメディアサイトなどを、WordPressで運用している企業は多いです。
WordPressを正常な状態で維持するためにも、保守作業は必ず行いましょう。
WordPressに保守が必要な理由
先程も、WordPressに保守が必要な理由をいくつか紹介しましたが、更に深堀ります。
保守にはさまざまな役割が存在していて、サイバー攻撃を防止する以外の役割もあります。
WordPressに保守が必要な理由は以下の通りです。
- サイバー攻撃を防止するため
- アップデートを定期的に行うため
- バックアップを確保するため
- ページの表示速度を高めるため
- Webサイトの数値改善のため
1つずつ解説します。
サイバー攻撃を防止するため
WordPressは、サイバー攻撃の対象になりやすいです。
なぜなら、WordPressは無料のソフトウェアのため、中身の検証を誰でも何回でも行えます。さらに、WordPress関連の情報もインターネット上に無数にあるため、攻撃対象にされやすいからです。
しかも、WordPressは世界中で公開されたWebサイトの43.2%を占めていて、CMS(コンテンツ管理システム)の63.5%を占めているため、狙われやすいです。
そのため、サイバー攻撃を防止するために、セキュリティを強化する保守が必要になります。
アップデートを定期的にするため
WorePressは、定期的にアップデートする必要があります。
なぜなら、WordPressは頻繁にアップデートすることで、セキュリティを保っている側面があるからです。
もちろん、WordPressに限らない話ですが、最新版に保つことは、セキュリティのリスクを下げるために欠かせません。
しかし、普段から更新をしないWebサイトなどでは、知らないうちに最新バージョンが発表され、アップデートされずに放置してしまうことがあります。
そのため、保守作業として、定期的なアップデートを行う体制作りが欠かせません。
バックアップを確保するため
WordPressは、常にバックアップをして、データを保管する必要があります。
なぜなら、サイバー攻撃などで、Webサイトにアクセスできなくなったり、Webサイトのデータが消されたりしたときに、サイトの復旧が行えないからです。
前述した通り、WordPressは攻撃対象になりやすいため、バックアップは必ず行わなければなりません。
サイバー攻撃以外にも、人的ミスやウイルス感染、自然災害、ハードウェア障害、ソフトウェア障害で、データが消えてしまうこともあります。
定期的なバックアップはもちろんのこと、バックアップデータの管理も重要です。そのため、WordPressのバックアップは欠かさないようにしましょう。
ページの表示速度を高めるため
ユーザーが快適にページを閲覧できるようにするための保守も存在します。ここまで説明してきた保守が守りだとすると、こちらは攻めの保守です。
ページの表示速度を高めることは、ユーザーの利便性が向上することから、SEO効果も高いです。
WordPressは、ページの表示速度を高めるためにさまざまな施策を行うため、Webサイトやサーバーに詳しい担当者を用意する必要があります。
このように、万が一に備えてセキュリティを高めたり、バックアップをとったりすること以外にも、保守が必要な理由がWordPressにはあります。
Webサイトの数値改善のため
こちらも攻めの保守です。Webサイトの数値改善のため、ABテストを行ったり、計測タグを仕込んだりすることです。
Webサイトは作成して終わりではなく、運用が必要になります。特にCMSであるWordPressは、ログインさえできれば、簡単に変更が行える便利なソフトウェアです。
そのCMSの利点を活かすなら、ページの成約率を高めたり、ページのSEO効果を高めたりする保守がいると理想的です。
このように、Webサイトの数値改善のための変更作業なども保守がいると捗ります。
WordPressの保守で具体的にやること
WordPressの保守は、セキュリティ対策やバックアップ、アップデートだけではありません。
WordPressの保守で具体的に行っていることは以下の通りです。
- Webサイトとサーバーの死活監視
- WordPressとサーバーのセキュリティ対策
- 改ざんチェック
- 不正アクセスのチェック
- 定期的なバックアップ
- トラブル時のデータ復旧
- 検証環境の構築
- WordPress本体・テーマ・プラグインのアップデート
- アップデート時の動作不具合の確認・修正
- サーバー・ドメインの管理
1つずつ具体的な保守作業について解説します。
Webサイトとサーバーの死活監視
死活監視とは、システムが正常に稼働しているか継続的にチェックすることです。
Webサイトやサーバーが障害などで停止してしまうと、Webからの集客やWeb上で提供されていたサービスも停止してしまいます。そのため、死活監視が必要です。
死活監視は、専用のサービスやツールを利用して、自動で監視を行います。問題が起きた場合は、通知で担当者に知らせて、いち早く対処できます。
WordPressとサーバーのセキュリティ対策
WordPressは、サーバー攻撃の対象になりやすいため、セキュリティ対策が必要です。
セキュリティ関連のプラグインを入れたり、ログインURLに誰でもアクセスできないようにしたり、事前に行える対策があります。また、セキュリティ関連のプラグインやツールも常に最新の状態に保つなど、やるべきことはたくさんあります。
また、WordPressなどのWebサイトを置いているサーバーのセキュリティ対策も欠かせません。セキュリティパッチを適用したり、ログ管理を行ったりと、さまざまな対策があります。
セキュリティ対策はトラブルが起きる前に行い、常にWordPressを最新バージョンに保つ保守が欠かせません。
改ざんチェック
Webサイトの改ざんチェックも行います。改ざんとは、Webサイトの内容を書き換えられてしまうことを指します。
改ざんされてしまうと、不適切な情報発信をしてしまったり、Webサイトの閲覧者をマルウェアに感染させてしまったりするため、改ざんチェックが必要です。
改ざんチェックは、主にWebサイトの全ファイルを原本にして、定期的に最新のファイルと比較して行います。そのために改ざん検知のツールを利用します。
改ざんの被害は多数報告されています。必ず改ざんチェックを行いましょう。
不正アクセスのチェック
不正アクセスとは、アクセス権限を持たないものが、サーバーやWordPressの管理画面に侵入することです。
不正アクセスは、改ざんやデータの破壊、情報の流出など被害が大きくなってしまいます。
不正アクセスを防ぐには、アカウント情報の保護やソフトウェアのアップデート、セキュリティーソフトのインストール、ファイアウォールの設置などが必要です。
何よりも不正アクセスのチェックを定期的に行う必要があります。不正アクセスのチェックは、ツールを利用します。
不正アクセスのチェックも保守で行いましょう。
定期的なバックアップ
万が一に備えて定期的にバックアップを行う必要があります。
もし、サイバー攻撃によって、サイトの表示ができなくなったときに、復旧させるためにバックアップしておかなければなりません。
WordPressでバックアップを取得する場合は、プラグインの「BackWPup」や「All-in-One WP Migration」などを使用します。またサーバー側でもバックアップをしておく必要があります。
万が一に備えて、定期的なバックアップをすることも、保守で行うべきことです。
トラブル時のデータ復旧
サイバー攻撃や人的ミス、ウイルス感染、自然災害、ハードウェア障害、ソフトウェア障害で、WordPressのWebサイトの表示ができなくなったら、データの復旧が必要です。
WordPressの場合だと、アップデートやカスタマイズに失敗した場合なども、データ復旧が必要です。
そのため、定期的なバックアップが欠かせません。バックアップデータさえあれば、データ復旧は難しくありません。
プラグインのバックアップデータを使用するか、レンタルサーバーのバックアップ機能を利用して、復元しましょう。
検証環境の構築
検証環境(テスト)とは、システムが正常に動くかテストする環境のことです。WordPressのWebサイトを本番環境と同様に表示できるサーバーやシステムを、テスト用に構築することを指します。
WordPressの本体やテーマ、プラグインのアップデートで、サイトが表示できなくなることがあります。そのため、必ず本番環境でアップデートする前に、検証環境を構築しておき、アップデートした状態に問題がないか検証をしましょう。
保守の仕事内容として検証環境の構築は必要です。
WordPress本体・テーマ・プラグインのアップデート
WordPressには本体(コア)、テーマ(テンプレート)、プラグイン(拡張機能)のアップデートが頻繁にあります。
前述した通り、バージョンを最新版にしていないと、脆弱性を突かれてしまい、Webサイトの改ざんやデータの破壊をされてしまう可能性が高まります。
その他にも、アップデート時に不具合が起きる可能性も高いため、毎回バックアップもしておきましょう。
アップデート時の不具合の対応については、次の見出しで紹介します。
WordPressの本体、テーマ、プラグインを最新の状態に保つのも保守として必要な仕事です。
アップデート時の動作不具合の確認・修正
WordPressの本体、テーマ、プラグインをアップデートすると、Webサイトの表示がおかしくなったり、機能が使えなくなってしまったりすることがあります。
本体、テーマ、プラグインの互換性が悪かったり、3つのうちどれかが最新版に対応していなかったりすることで動作不具合が起きます。
そのため、検証環境でアップデートして問題がないかチェックをしてからのアップデートが欠かせません。
検証環境で問題が発生した場合は、問題を解決できた状態で、本番環境でアップデートを行いましょう。
サーバー・ドメインの管理
サーバーとドメインの管理も保守の仕事です。
サーバーの管理は、安定した運用が続けられるように問題が起きていないかチェックすることです。前述した、死活管理や不正アクセスなどのチェックも含まれます。
また、サーバーの稼働状況をチェックして負荷の分散をさせて、サーバー内のWordPress以外のソフトウェアの状態やアップデートなども行います。
ドメイン管理は、ドメインの更新期限が切れてしまうとドメインを失効してしまいます。もちろん、自動更新の設定などにするため、作業自体は少ないです。また、ブランド保護のため、似たようなドメインを取得して管理することもあります。
WordPressの保守から離れますが、WordPressと一緒に管理することが多いです。
WordPressの保守はプロに任せるべき理由
ここまでWordPressの保守について紹介してきました。WordPressの保守や社内や外部のプロに任せるのがおすすめです。
特にプロに任せたほうがいい理由は以下の2つです。
- アップデート後の不具合対応のため
- サイバー攻撃の復旧対応
1つずつ紹介します。
アップデート後の不具合対応のため
アップデート後の不具合対応は、プロにお願いするのが望ましいです。
なぜなら、アップデート後の不具合が起きないように、検証環境を構築したり、不具合を修正したりするには、WordPressについて詳しくないと難しい作業だからです。
仮に、検証環境を構築できたとしても、アップデート後の不具合に対応しなければ、本番環境でWordPressのアップデートが行えません。
アップデート後の不具合にも対応できるようなプロにお願いしましょう。
サイバー攻撃の復旧対応
サイバー攻撃をされた後の対応もプロにお願いするのが望ましいです。
なぜなら、サイバー攻撃をされたあとは、データの復旧、原因の特定、再発防止の施策を行う必要があるからです。セキュリティに詳しくなければ、データの復旧しか対応できません。
例えば、サイバー攻撃をされて、Webサイトの復旧ができても、情報漏えいに気づかなかったり、きちんと復旧ができていなかったり、訪問者をマルウェアに感染させてしまったりしたら、大変なことになります。
このように原因や被害を正確に把握することも重要です。
セキュリティやWordPress、サーバーに詳しいプロにお願いしましょう。
WordPress保守サービスとは
WordPressの保守を任せられる人材が社内にいない時は、WordPress保守サービスの利用をおすすめします。
WordPressやセキュリティに詳しいプロに外注するのが安心です。WordPressの保守では、この記事で紹介してきた作業を、月額費用で対応してくれます。
WordPressの保守サービスでは、以下の対応が可能です。
- サイトの死活管理
- WordPressの本体とプラグインのアップデート
- 定期的なバックアップ
- 検証環境の構築
- 改ざんチェック
- 電話やメールのサポート
サーバーの保守は、追加料金で対応しているサービスが多いです。
社内に任せられる人材がいなければ、WordPressの保守サービスを検討してください。
WordPressの保守サービス費用相場
WordPressの保守サービスを外注する費用の目安をお伝えします。費用相場を知ることで、保守サービスを外注すべきかの判断材料にしてください。
初期費用
WordPressの保守サービスは、初期費用がかからないものが多いです。その分、月額費用が高めに設定されているので、初期費用無料が良いとは限りません。
初期費用がかかるWordPressの保守サービスの初期費用は、3〜10万円ほどです。その分、月額費用を抑えているものが多いです。
月額費用
月額費用の相場は、1〜5万円ほどです。月額費用が高いほど、保守サービスの対応範囲が広がる傾向にあります。
仮に初期費用10万円で月額費用5万円の保守サービスを利用したら、初年度は70万円です。自社で求める保守の内容で、安心して任せられれば、決して高くないでしょう。
ただし、費用相場はあくまで参考程度にしかなりません。大事なのは、保守サービスの内容と安心して任せられるかです。
WordPress保守サービスを選ぶ3つのポイント
安心して任せられるWordPres保守サービスを選ぶ3つのポイントを紹介します。
WordPress保守サービスを選ぶ5つのポイントは、以下の通りです。
- 実績・信頼性・サポート体制・価格を比較する
- 緊急時の対応内容を確認する
- サーバー保守プランもあるか
以上の点を踏まえて、複数のWordPress保守サービスに問い合わせして、比較検討しましょう。
実績・サポート内容・サポート体制・価格を比較する
まず行うべきは、Webサイトに記載されているような一般的な情報を比較することです。
次に、実績やサポート内容、どのようなサポート体制をしているかの詳細は、問い合わせして担当者に聞きましょう。Webサイトには記載しきれなかった内容やサポート体制について説明があるはずです。
このようにWebサイト上の情報だけで判断せず、各サービスの担当者と話した情報も踏まえて比較しましょう。
緊急時の対応内容を確認する
トラブルなどの緊急時は、どのぐらいのスピードで対応してもらえるか確認してください。Webサイトが表示されなくなってしまうと、その間のアクセスが無駄になってしまいます。
またトラブルの内容もさまざまです。サイバー攻撃への対応は、ほとんどの保守サービスで行ってくれても、その他のトラブルには対応できない可能性もあります。
事前に、対応内容の詳細を確認しておきましょう。
サーバー保守プランもあるか
WordPressの保守サービスを提供している事業者を見てみると、サーバー保守は別料金にしていることが多いです。
しかし、サイトに障害が生じた場合、WordPress側ではなく、サーバー側の問題である可能性もあります。WordPressとサーバーを同じ事業者に見てもらえば、スムーズにトラブルを解決できるでしょう。
WordPressのみの保守と、サーバー保守もお願いした場合の、サービス内容は必ず確認してください。
おすすめのWordPressの保守サービス事業者5選
最後におすすめのWordPress保守サービスを5つ紹介します。
保守の実績がある事業者をピックアップしています。自社に必要な保守内容と照らし合わせて、事業者を選ぶ参考にしてください。
WPセンター安心サポート
WPセンター安心サポートは、株式会社6が運営するWordPress保守運用代行サービスです。
特徴は、無制限のWordPressテクニカルサポートです。WordPressでお困りのことがあれば、WorePressについて質問し放題です。
初期費用は0円。月額費用は33,000円(税込み)です。
WPセンター安心サポートの詳細を知りたい方は、Webサイトをご確認してください。
B-CREATE
B-CREATEは、ビークリエイト株式会社が提供するWordPressの保守サービスです。
特徴は、業界最安値月額10,000円から、WordPressの保守サービスを提供しています。初期費用は30,000円からです。
Web事業を始めて18年で制作案件数10000件以上で実績も十分です。
B-CREATEの詳細を知りたい方は、Webサイトを確認してください。
wp.support保守サービス
wp.support保守サービスは、株式会社e2eが運営するWordPress保守サービスです。
特徴としては、大手企業の実績が多く、安心できるところです。Webサイトの中のお客様の声にWebマーケティング会社もあり、同じWeb事業者に選ばれているのも信頼できます。
初期費用は0円で、月額費用は44,000円です。
サーバー保守プランをサービスサイトで推奨しているのは、こちらのサイトだけでした。サーバー保守も考えている方は、問い合わせをして確認してみましょう。
wp.support保守サービスの詳細を知りたい方は、Webサイトをご確認してください。
キオミルWP保守
キオミルWP保守は、東京のWeb制作会社であるキオミル株式会社が提供しているWordPress保守サービスです。
WordPressには大きな変更が伴うメジャーアップデートでは、追加費用がかかるところが多いですが、キオミルWP保守では、一律料金でアップデートの対応をしてくれます。
初期費用は0円。月額は30,000円です。
キオミルWP保守の詳細を知りたい方は、Webサイトをご確認してください。
プリケアWP-WordPress保守
株式会社frame and surfaceの提供するプリケアとは、ワードプレス製WEBサイトの自動アップデートツールです。
WordPressのお手入れから、会社の業務効率化に尽力します。
レンタルサーバー上のWebサイトを持つお客様に対し、サイトの安全を約束してさらにアップデートしていくことをお手代いたします。
とくに、以下のような方はオススメです!
- 管理にかかる人件費などのコストが気になる
- 運用を任せられそうな人材がいない
- 管理・運用していくには不安がある
<サービス内容>
- 無人で毎月、自動アップデート
- 万が一のときの復旧サポート
- 表示確認付きレポートの送付
- Google Analyticsの自動レポーティング(オプション)
無料のデモンストレーションのご用意もございますので、お気軽にお問い合わせください。
WordPress保守サービスは値段だけで検討しないでください
この記事では、WordPressの保守内容からWordPressの保守サービスまで、幅広く紹介してきました。
Webサイトに記載されている情報が全てではありません。
気になるサービスをいくつかピックアップして、対応範囲とサービス内容、追加料金などの情報を詳しく質問した上で、保守サービスを選びましょう。
安いから悪い、高いから良いということもありません。もし、WordPressの保守に不安がある方は、今すぐ対策を講じてください。